この本を初めて読んだのは4年程前だった。
昨日の凄い暴風雨で庭に出れなかった鬱憤をはらすため、久しぶりに本棚から引っ張り出し再読してみた。
何十年経っても色あせない、
これぞ
『園芸家のバイブル』!!
園芸熱に冒された園芸家達の、時に、こっけいとも思える、まじめな姿に
思わず「あるある!!」や
失笑してしまう事も。
著者である カレル・チャペックさんについては
「なんか、園芸の本を書いた人」
位の認識はあったけど、あえて読みたいとまで感じていなかった。
なので、この『園芸家12カ月』の存在自体は、たしか高校生位から知ってはいたの。
そんな、存在を知りながら20年以上、手に取らなかった本を、
読むきっかけとなったのが、
神奈川県民が誇る(笑)
『神奈川県立花と緑のふれあいセンター』 愛称『花菜ガーデン』
という公園があるのですが
そこに『チャペックの家と庭』と名付けられた休憩所が設けられていた事、
また農業や植物の本ばかりのライブラリーが併設されていて、
そこにカレル・チャペックコーナーが設けられているくらい
『花菜ガーデン』のチャペック推しが熱かったのが、彼の本を読んでみたいと思ったきっかけだったのです。
カレル・チャペック(一八九〇~一九三八年)はボヘミアの田舎町で医者の家庭に育ち、プラーク大学で哲学を学び、ベルリンとパリに留学し、ジャーナリストとして出発したが、一九二一年に戯曲『R・U・R』(『人造人間』)を書いて一躍世界的に有名な劇作家になった。
小説、エッセイ、旅行記、童話の方面でもすぐれた作品をのこしている。
園芸家12ヶ月 中公文庫 p207より
彼の本業は劇作家だったようで、本業のかたわら園芸にいそしんでいたようなの。
園芸家の一年を、ひと月ごとに書いてあるのだけど、園芸熱に冒された園芸家の内面をリアルに描写し過ぎていて滑稽で、でも痛いほど感情移入できて笑いながら読めちゃう。
まるで、自分の事を書かれている気持ちになってしまう。
時代も国も違うけど、園芸家ってのは、そういった壁のように思える事さえ超越してしまうんだ!!って思えてくる。
プディングが思うには、園芸家という種族がいるんだと思う。(笑)
プディングが持っている、本の初版発行を見ると1975年12月10日って書いてあるの!!
古いけど、書店の園芸書コーナーに大抵置かれているよね。
もう、それだけで一読の価値があると思う。
それと挿絵が、ユーモラスで味があるの。
カレル・チャペックのお兄さん、
ヨゼフ・チャペックが描いている。
調べてみたら、お兄さんはナチスの強制収容所で亡くなったそう。
文と絵が、とてもピッタリだから、プディングはずっと、カレル・チャペック自身が挿絵も描いていると思い込んでいたの。
とんだ勘違い、、、。
でも、お兄さんが描いているって知ってなんか納得。
このお兄さんも、園芸が好きだったのではないかな?
と思わせる位、いい挿絵なの。
久しぶりに読み返しても、
面白い『園芸家12ヶ月』なのでした。